荷重試験の方法

荷重試験の準備と実施方法

2022年に鳥人間の社会人チームでスパーの荷重試験を実施しましたので、その時の方法をご紹介します。ダメな部分は反面教師にしていただければと思います。

実施場所は作業場前の駐車場で実施しました。
実施方法は脚立を用意して、その上にスパーを固定し、スパーに決まった各荷重の水の入ったペットボトルを吊るしました。

スパー側の準備

スパーには400mm間隔 (リブ間隔の2倍)に紐を固定しました。紐はビニール紐の先にペットボトルが吊るせるように、フックをつけています。

スパーを運搬するときは紐をテープでとめておいて、スパーを脚立の上に置く前に紐を垂らすようにしました。

紐の長さはスパーの位置などで適切に調節しておくとベストです。特に翼端側は、荷重をかけていくとスパーがたわむため、紐を少し短めにしておくと、都合がいいです。

脚立の準備

荷重試験はスパーを脚立の上に置いてから、荷重をかけました。脚立は荷重をかけた時のたわみなどを考慮して、一番高い部分は約3mの脚立を使いました。
購入してもよかったのですが、何度も使うものではなく、購入したら保存場所も必要なので、レンタルしました。

地面が平らでなかった場所は、作業台をひっくり返して、平らな部分を確保しています。

スパーを置く脚立は、動いたり倒れたりしないように固定をしています。スパーの足元には土嚢を使っています。また、トラ紐を張り、その先はテントで使うペグを地面に刺して固定しています。紐はトートラインヒッチ等を使って、ピンと張れるようにしていました。

スパーの固定

スパーは脚立の上に置きましたが、間にはウエスを挟んでいます。その後、ガムテープで固定しています。

スパーは透明のホースに水を入れた、いわゆる水盛り(自分たちは水準と呼んでます)でスパーの左右が水平になるようにウエスなどで調整しました。
胴体に関しては、定常飛行時の胴体の角度で、固定しています。

荷重試験

荷重はスパーの左右両方に同じタイミングで中心からおもりのペットボトルを吊るしていきました。

真ん中に声をかける人が一人、両側にペットボトルを吊るす人で実施しました。
ペットボトルを吊るす人は、最低限の安全対策でヘルメットをしています。
今回は、実際の機体でたわみを固定するため、荷重試験時もたわみの固定用に、翼側にも脚立がありますが、通常はこれは必要ないはずです。

荷重は、0.5G、1.0G、1.25G、1.5Gを準備し、実際には1.25Gまでかけました。

荷重をかけた後は、実際のたわみ量を測定しています。測定の仕方は、翼端などの決まった位置に、糸を吊るしておき、そこにガムテープなどで目印をつけておいて、そのガムテープまでの地面からの高さを荷重をかける前と荷重をかけた後で測定しました。

荷重をかけ終わった後の撤収時も同様に、左右でタイミングを合わせて、ペットボトルを外していきました。