航空力学

ダランベールのパラドックス・逆理・背理について

ダランベールのパラドックス ダランベールのパラドックス (ダランベールの逆理、ダランベールの背理) とは完全流体中を一定速度で進行する物体や、一様な一定速度の流れの中におかれた物体は抵抗などの、はたらく力が 0 になるという逆理です。 例として円柱…

翼の誘導抵抗について

翼の誘導抵抗 翼における誘導抵抗とは、有限幅の翼を過ぎる流れを考えたときに、後引き渦のために後流に下向きの流れが生じることで発生する抵抗のことです。 もう少し丁寧に誘導抵抗について考えます。 まず、実際の翼は有限な翼幅をもちます。そのため、翼…

翼の平面形・矩形翼・楕円翼・テーパー翼・デルタ翼・後退翼・前進翼・斜め翼

翼の平面形 翼は翼型を連ねた形をしている。この主翼をコード長を含む面で射影した形(真上から見た形)を翼の平面形という。 翼の平面形は、飛行機の用途に応じて様々な形状があり、それぞれに特徴がある。 代表的なものを挙げていく。 矩形翼 胴体への取り付…

翼とよどみ点、翼まわりの循環、クッタの条件・ジューコフスキーの仮定

翼とよどみ点 ここでは翼を渦と結びつけて考えるということが行われます。 まず無限に長い翼幅をもつ翼が動く場合を考えます。 このとき、翼の前縁と翼の後縁に速度が0となるよどみ点が見られます。翼の後縁のよどみ点は翼の上面側に発生し、流れは後縁の下…

二次元翼と揚力・抗力・モーメント

二次元翼と揚力・抗力・モーメント 翼型は翼の断面形です。この翼型だけで翼の空力特性などを考える場合、この翼を二次元翼といいます。ちなみに翼型と翼の平面形をあわせて考える場合、その翼を三次元翼といいます。 翼型のコード(翼弦線)に対して、空気が…

翼型と揚力の関係

翼型と揚力の関係 翼の断面形のことを翼型といいます。 亜音速流中で使用される翼の翼型は、前縁は丸くなっており、後縁は尖って薄くなっており、全体的に反りがついている場合が多いです。 翼型のまわりを空気が流れると、翼の上面では流れが速くなり、翼の…

境界層と翼の性能への影響

境界層とは 境界層とは、物体近傍の、粘性の影響を無視できない狭い領域の速度の遅い層のことです。 空気には、小さいですが粘性があります。そのため、翼などの物体に空気が流れると、表面の速度は0になります。しかしながら、物体から少し離れた外側の流れ…