樹脂吸収材(ふとん)の巻き付けについて

樹脂吸収材(ふとん)の巻き付けについて

プリプレグを加熱した際に、過剰なエポキシ樹脂を吸収するために、離型布の外側にドミット芯を巻き付けていました。このドミット芯のことを"ふとん"や"おふとん"と呼んでいました。

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出典:九州大学鳥人間チーム/作業日記/2016年度2月14日 

このドミット芯はマンドレルに巻き付けた後、その端を針と糸を使って縫い合わせて巻き付けました。

顔が写っている写真は、モザイク加工をさせていただきました。

離型布の巻き付けについて

離型布の巻き付けについて

マンドレルにプリプレグの積層が終わった後は、離型布を巻き付けました。

この後の工程で、この離型布の外側にプリプレグの余分なエポキシ樹脂を吸収する素材を巻き付けます。そのため、ここではフィルムよりも樹脂を通しやすい布を用いました。

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 出典:九州大学鳥人間チーム/作業日記/2018年度11月25日 

離型布も一枚で、マンドレル一周全てを巻くのではなく、数枚でマンドレル一周全てを覆いました。離型布は、焼きの工程後に剥ぎやすくするために、中心の離型布が最も外側になるように重ねていきました。

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 出典:九州大学鳥人間チーム/作業日記/2016年度2月14日 

また、離型布同士は小さく切ったガムテープを使って貼り付けました。

顔が写っている写真は、モザイク加工をさせていただきました。

基準の線を残すための銀テープの貼り付けについて

銀テープの貼り付けについて

マンドレル(楕円)には0度、90度、180度、270度の部分に線を書いていました。

しかし、プリプレグを積層した後の焼きの工程で、このマンドレルは熱により縮んでしまいます。そうすると、マンドレルに書いてあった線の位置が分からなくなってしまいます。

そのため、プリプレグを積層後に、熱で変形しない銀色のテープ(銀テープ)をプリプレグの両端にそれぞれ4箇所、貼っていました。このテープは三角形に切り、その頂点が、線の位置を示すようにしていました。

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 出典:九州大学鳥人間チーム/作業日記/2017年度11月26日 

銀テープが剥がれたり、位置がズレたりしないように銀テープをエポキシ接着剤で貼ったり、耐熱テープ(カプトンテープ)を銀テープの上から貼っていることもありました。

プリプレグの積層について

プリプレグの積層の準備

プリプレグを積層する前に、プリプレグカットの時と同様に床にフィルムを敷いておきました。これにより、床のゴミなどがプリプレグに付着しないようにしていました。

また、使う道具は全てエタノールとキムワイプを使って脱脂して使用しました。積層前にはマンドレル(離型フィルム)も脱脂をおこないました。

プリプレグの積層について

次にマンドレルにプリプレグを積層する前に、マンドレルの両端から人が見て、マンドレルの断面の0度と180度を結ぶ線もしくは、90度と270度を結ぶ線(短軸もしくは長軸)を地面に対して垂直にしました。

プリプレグは事前に切ってあるものを設計の積層構成に合わせて積層していきました。プリプレグには、剥離紙とピンクのフィルムで挟まれているものを使用していました。

貼り付けの際は、プリプレグの剥離紙を剥がし、プリプレグの繊維の方向に沿ってプリプレグを貼り付けていきました。また、プリプレグは、マンドレル一周に積層した後に、重なりができるように注意していました。

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出典:九州大学鳥人間チーム/作業日記/2018年度12月9日 

プリプレグを一層分貼り付けた後は、そのプリプレグのピンクのフィルムを剥がし、プリプレグに髪の毛などのゴミが付着していないことを確認してから、次の層のプリプレグを貼り付けていきました。

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 出典:九州大学鳥人間チーム/作業日記/2017年度12月22日 

次の層のプリプレグを貼った後に、プリプレグ間に、気泡や髪の毛のような大きなゴミが入っていた場合は、最外層のプリプレグに繊維方向に切れ目を入れ、空気やゴミを抜いたこともありました。

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出典:九州大学鳥人間チーム/作業日記/2017年度11月26日 

これを、設計した積層構成となるように、積層する繊維の角度に気をつけながら貼り付けていきました。

積層の途中で中断する場合は、マンドレルに巻いたプリプレグの上にフィルムを敷いて、ホコリなどもなるべく付着しないように注意していました。

顔が写っている写真は、モザイク加工をさせていただきました。

離型フィルム貼りについて

離型フィルム貼りについて

マンドレルに、プリプレグを真空パックにするためのバギングフィルムを貼り終わった後は、離型フィルムを貼っていきました。

離型フィルムは、プリプレグを加熱して硬化させた後でも、マンドレル(バギングフィルム)にエポキシ樹脂がくっつかないようにするためのものです。

離型フィルムもマンドレル一周分を貼りました。バギングフィルムの上に両面テープを貼っていき、その両面テープに離型フィルムを貼り付けました。

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 出典:九州大学鳥人間チーム/作業日記/2017年度11月23日 

ただ離型フィルムはバギングフィルムとは違いマンドレル全ての一周を一枚の大きなフィルムで貼らずに、数枚のフィルムをマンドレルに貼り付け離型フィルムでマンドレルが全て覆われるようにしました。この時は、二枚のフィルムは重なるように貼り付け、二枚の重なりの部分で離型フィルムがない箇所が出来ないように注意しました。

 顔が写っている写真は、モザイク加工をさせていただきました。

バギングフィルム貼りについて

バギングフィルム貼りについて

繋ぎ終わったマンドレルにバギングフィルムを巻いていきます。

ここでのバギングフィルムは、積層後にプリプレグを真空パックにするためのフィルムです。

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 出典:九州大学鳥人間チーム/作業日記/2018年度12月6日 

まず、楕円の0度、90度、180度、270度の長軸と短軸と呼んでいる部分の線に沿って、線のどちらかに両面テープを貼ります。計4箇所両面テープが貼られます。

次に、1箇所の両面テープの剥離紙を剥がして、その上にバギングフィルムを貼っていきます。最初に貼る時だけは、2箇所同時に貼ったこともありました。マンドレルの端で1人ずつフィルムを持ち、マンドレルの中心から端に向かって、1人もしくは2人で貼っていきました。

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 出典:九州大学鳥人間チーム/作業日記/2018年度12月6日 

バギングフィルムを貼っていく時の注意点は、フィルムに折り目やシワが出来ないようにすることでした。バギングフィルムはこの後に真空パックのようにするため、穴が空いてしまった場合は最初からやり直しました。また、バギングフィルムとマンドレルの間にもなるべく髪の毛などのゴミが入らないようにしました。

1箇所が貼り終わると、マンドレルを約90度回転させ、次の部分を貼っていきました。

こうして、最初に両面テープを貼った部分にバギングフィルムを貼り終わると、最後にバギングフィルムがマンドレルに一周巻かれるように両面テープを貼り、バギングフィルムの貼り付けが終わりました。

バギングフィルムの両端は後で外のバギングフィルムと接着できるように、筒状にした後、外側にも両面テープを貼っていました。この部分はキャンディと呼んでいました。マンドレルを回転させる際に、フィルムが破れないように注意をしました。

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  出典:九州大学鳥人間チーム/作業日記/2018年度12月7日 

バギングフィルムを巻き終わった後は、巻き終わったところにシリコンシーラントを使って、シリコンを薄く塗っていきました。

主翼が完成するまでのまとめ

機体の主翼が完成するまでの流れ

機体のスパーが完成した後、主翼が完成するまでの流れです。

設計

翼型などの設計は設計担当者の方が計算式やエクセルシート、xflr5などを用いて行っていました。

図面(型紙のデータ)作成

翼型をもとに主翼を製作しやすいように、コードラインやストリンガー用のほぞなどを書き加えた型紙のデータをCADなどで作成しました。

型紙の型紙の作成(印刷)

型紙のデータをもとにA4の用紙などに印刷しました。これを型紙の型紙と呼んでいました。

型紙(マスター)の作成

型紙の型紙から、型紙(マスター)を作成しました。

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リブ抜き

型紙(マスター)を使って、リブを抜きました。

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バルサチップの製作

バルサシートでリブの後縁側につけるチップを製作していました。

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カーボンチップの製作

カーボンシートでリブの後縁側につけるチップを製作していました。

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チップ付け

バルサチップ、カーボンチップをリブに取り付けました。

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基準リブ付け

リブをスパーに取り付ける上でまず基準となるリブをスパーに付けました。

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リブ付け

基準リブをもとに、全てのリブをスパーに付けました。

縦通材(ストリンガー)つけ

縦通材(ストリンガー)をリブにつけました。

後縁製作

後縁を作りました。

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後縁つけ

後縁をリブに付けました。

リブ材(リブキャップ)つけ

リブ材をリブに付けました。

エスレン(プランク)貼り

エスレンシートをリブに貼り付けました。

フィルム貼り

フィルムを主翼に貼りました。