ダランベールのパラドックス・逆理・背理について

ダランベールのパラドックス

ダランベールのパラドックス (ダランベールの逆理、ダランベールの背理) とは完全流体中を一定速度で進行する物体や、一様な一定速度の流れの中におかれた物体は抵抗などの、はたらく力が 0 になるという逆理です。

例として円柱まわりの流れについて考えます。

流れが円柱の表面に沿って流れていると考えると、前方と後方によどみ点ができます。

そのため円柱の上下では全く同じ流れの状況となるはずです。

上下左右全く同じ流れの状況ということになります。つまり、対応する位置における流れの速度は同じということになります。

円柱表面の圧力分布も、上下左右で全く同じとなるはずです。この圧力分布を円柱の表面まわりに積分すると、抵抗は全く反省発生しないということになります。

この抵抗が発生しないという結果は、現実の事実と反しています。

実在の流体では粘性が小さくても、 物体面に、薄くて速度勾配が大きく、 粘性摩擦のはたらく境界層が存在します。

また、境界層が剥離すると大きな抵抗を生じます。

他に高速気流では衝撃波による造波抵抗も存在します。加速運動などの非定常運動をする物体にも力がはたらきます。

教師あり学習・教師なし学習・強化学習について

機械学習は教師あり学習、教師なし学習、強化学習の3つのカテゴリに分類することができます。

教師あり学習とは

教師あり学習 (Supervised Learning) の教師とはデータに付随する正解ラベルことをいいます。そのため、それぞれのデータ点にカテゴリラベルや数値ラベルが付与されています。

カテゴリラベルでは、例えば馬を含む画像には、馬というラベルがつけられています。

数値ラベルでは、例えば部屋の情報に、家賃50000円などのラベルがつけられています。

教師あり学習の目的は、大量のラベル付きのデータ例(これを学習データや教師データという)に基づいて、新しく得られたデータのラベルを予測することです。

データ点に付与されたラベルがカテゴリラベルの場合は分類問題 (Classification) といわれます。例えば、画像中の動物の種類を特定するという問題は、これに当てはまります。

データ点に付与されたラベルが数値ラベルの場合は回帰問題 (Regression) といわれます。例えば、部屋の家賃を予測するという問題は、これに当てはまります。

特に、画像データを扱うものは画像認識といわれ、機械学習の中でもディープラーニングが得意な分野となります。

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教師なし学習とは

教師なし学習とは、与えられたデータから規則性を発見し、学習する手法です。

そのため、教師なし学習では、データ点はラベルをもっていません。つまり教師なし学習では、正解や不正解が存在しないといえます。

教師なし学習の目的は、なんらかの方法でデータをまとめることやデータの持つ構造を見つけることです。つまりデータをグループ (クラスタ) に分ける方法をみつけることや複雑なデータが単純に説明できるような見方をみつけることを意味します。

教師なし学習は、おすすめの商品を推薦するレコメンデーションで用いられたりします。

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強化学習とは

強化学習も教師を必要としない手法です。強化学習は、与えられたそれぞれのデータ点に対する動作を選択するアルゴリズムを学習します。

強化学習では、エージェントと環境を与えます。エージェントが環境に対して行動して、その結果として環境がエージェントに報酬を与えます。そして、与えられた報酬に基づいて、エージェントが行動に対して良かった、悪かったという評価をします。そして、この評価によって次の行動を決定します。

強化学習は、ロボティクス分野ではよく用いられる手法です。例えば、ある時刻でのセンサーからの出力をデータ点として、ロボットの次の動作を決定するという場合に利用されます。

また、ディープラーニングと組み合わせて用いることで、囲碁AIや将棋AIにも用いられています。

さらにIoT (Internet of Things) への応用も可能です。こういった場合では、アルゴリズムは未来の時点での、動作選択の適切さを示す報酬信号を受け取り、より高い報酬信号を得るために動作選択の戦略を修正します。

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参考図書

 

翼の誘導抵抗について

翼の誘導抵抗

翼における誘導抵抗とは、有限幅の翼を過ぎる流れを考えたときに、後引き渦のために後流に下向きの流れが生じることで発生する抵抗のことです。

もう少し丁寧に誘導抵抗について考えます。

まず、実際の翼は有限な翼幅をもちます。そのため、翼が無限に長い翼幅をもつと考える二次元翼の場合と実際の翼では異なる部分があります。

実際の翼では、翼幅が有限であるため、翼端では圧力の高い下側から、圧力の低い上側へ流れが流れ込もうとします。

翼の部分では、渦は翼に拘束されています。しかし、翼端では渦は翼からはみ出し、風に流されて下流まで延びていると考えられています。

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この渦にはそれぞれ呼び名がついています。

翼の働きを表す渦は翼に束縛されているため、束縛渦といわれます。また、翼端から下流に流れ出る渦は自由渦、もしくは後引き渦といわれます。

そして、この束縛渦と自由渦を合わせた渦の形状は馬蹄形渦、もしくはU字型渦といわれています。

この馬蹄形渦の作用によって、翼付近には下向きの速度w_iが誘導されます。

この誘導速度によって、翼は元の速度Vではなく、V' = \sqrt{V^2 + w_i^2}の大きさで、元の方向から、\epsilon = \tan ^{-1} \frac{w_i}{V}だけ、ずれた方向から風を受ける状態になります。

この方向は、元の迎角\alpha\epsilonだけ減らす方向です。

つまり、三次元性を考慮すると、迎角は二次元の場合よりも少し小さくなります。

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クッタ・ジューコフスキーの定理を考慮して、V'の方向に垂直に働く揚力をL'とします。L'を翼の進行方向に垂直な方向の揚力Lと翼の進行方向の抵抗Dに分解すると次のようになります。

L = L' \cos \epsilon = \rho V' \Gamma \cos \epsilon = \rho V T

D = L' \sin \epsilon = \rho V' \Gamma \sin \epsilon = \rho w_i \Gamma

2つ目の式に、翼の三次元性によって翼の進行方向に抵抗が誘導されることが表されています。この抵抗のことを誘導抵抗といいます。

誘導抵抗は、三次元性によって、必然的に生じるものです。

やる気に関する知識(内発的動機づけ・外発的動機づけ・アンダーマイニング効果・エンハンシング効果)

内発的動機づけと外発的動機づけ

意欲ややる気について考える際には、内発的動機づけ外発的動機づけという心理学用語がよく出てきます。

内発的動機づけとは、活動そのものが活動の動機づけとなっている場合のことをいいます。これと対照的な用語が外発的動機づけです。

外発的動機づけとは、賞罰や報酬などの外的な要因が、活動の動機づけとなっている場合のことをいいます。

例えば、数学の問題が解けることが嬉しく、数学の問題を解くという活動に魅力を感じて、それが動機となっている場合は内発的動機づけによるものということになります。

一方で、大学の数学の講義の試験で良い成績を収めるために、数学の問題を解いている場合は、良い成績という報酬のために、数学の問題を解くという活動を行っており、外発的動機づけによるものということになります。

このように外発的動機づけの場合は、報酬や賞罰など他に目指すものがあり、活動は手段ということになります。そのため、活動そのものが報酬のようになっている内発的動機づけの場合は、活動への意欲が失われにくいのに対し、外発的動機づけの場合は、外発的な報酬などがなくなると活動への意欲が失われやすいということに注意が必要です。

もう一つの注意点として、この内発的動機づけと外発的動機づけが個人の中で共存している場合も多くあります。また、外発的動機づけから内発的動機づけに変化する場合も多くあります。

アンダーマイニング効果とエンハンシング効果

動機づけに関連する効果として、アンダーマイニング効果エンハンシング効果というものがあります。

アンダーマイニング効果とは、内発的に動機づけられている人に、外発的動機づけを行うとマイナスの効果がある、つまり外的な報酬が内発的動機づけを低下させるという効果のことをいいます。

1960年ごろまでは、外的な報酬が内発的動機づけを高めると考えられていました。しかし、その後の実験で、アンダーマイニング効果が発見されました。

しかし、すべての外的な報酬がアンダーマイニング効果を示すわけではありません。

言語報酬などの外的な要因が内発的動機づけを高めるということが報告され、この効果をエンハンシング効果といいます。エンハンシング効果は具体的には、言葉で褒めた場合によって、内発的動機づけが高まるという効果です。

動機づけと自己決定性

 外発的動機づけの中にも自己決定性が高いものから低いものまで存在し、自己決定性が高い外発的動機づけは内発的動機づけに近いということが提唱されています。
また、内発的動機づけを高める要素として次の2+1の要素が挙げられる場合があります。

  1. 自己決定性 自分で主体的に決定し、行動できること
  2. 有能性 行動を通して有能感を感じられること
  3. 関係性 仲間との関係が楽しいこと(ただしこれ単独での効果は弱いとされる)

 まとめ

人間の心理は複雑なので、実験などから研究されている内容が必ずしも全員に適用できるとはいいません。それでも、例えばサークル活動でやる気を持っているメンバーが少なくて困ったときに、対応を考える参考にはなると思います。

反転授業のメリットとデメリット、その活用方法とは

反転授業とは?

一般的な授業の形態は、講義室では先生が黒板の前に立って講義を行い、学生はそれを聴いて学習します。そして、家では生徒が宿題として出された演習を通してアウトプットを行い学習します。

それに対して反転授業とは、家では講義の動画を見て学習を行い、講義室では生徒が演習を行い先生はアドバイスをしたり質問をしたりすることで、学習を進めていきます。

このように、学校での学習と家での学習が反転していることから、反転授業といわれています。反転授業は近年、動画などの撮影が簡単になったことや、パソコンやタブレット端末など動画を観る環境が普及したことによって注目されている方法です。

反転授業のメリット

反転授業のメリットとしては、次のようなものが挙げられます。

・授業が動画であるためわからないところは繰り返し学習できる

・授業で演習に取り組むため、問題解決の能力を向上することができる

・演習中の先生の机間巡視などによって、先生が生徒の能力を把握できる

・授業を観ることができるため、教科書による予習よりも、生徒の理解が進む

反転授業のデメリット

一方で反転授業のデメリットとしては、次のようなものが挙げられます。

・生徒が授業の動画を観るようにできる環境を整える必要がある

・生徒が授業の動画を観なかった場合は、効果が得られない

・授業を撮影し、動画として共有する作業が大変である

 

このデメリットのため、反転授業は効果が期待されているものの、実際はあまり普及していないようです。

反転授業は、プログラミングや製図など実習がメインになる講義で特に効果を発揮します。

実際に授業を自分で撮影するということは、大変だという時は、インターネット上のYouTubeなどで公開されている授業などを利用するという方法もあります。

反転授業と一般的な授業の間をとる方法として、授業で使うスライド資料や説明する内容を資料にして、共有しておくという方法もあります。また、インターネット上に公開されているスライド資料やwebサイトを活用することもできます。

また授業と演習を合わせるように、反転授業として事前に動画やスライド資料、webサイトなどで学習してもらい、教室ではその復習の授業からはじめて、演習に移るという流れも考えられます。

授業や講習会というと、教師や講師が生徒や受講者の前に立って、黒板に書きながら授業したり、プレゼンテーションソフトを使いながら授業する意外にも反転授業をはじめいろいろな手法があるので、授業や講習の内容に合わせて工夫していくとより良いものになると思います。

翼の平面形・矩形翼・楕円翼・テーパー翼・デルタ翼・後退翼・前進翼・斜め翼

翼の平面形

翼は翼型を連ねた形をしている。この主翼をコード長を含む面で射影した形(真上から見た形)を翼の平面形という。

翼の平面形は、飛行機の用途に応じて様々な形状があり、それぞれに特徴がある。

代表的なものを挙げていく。

矩形翼

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胴体への取り付け部分(胴体側)と先端部分(翼端側)の翼型が同じ大きさのものである。

翼の平面形は矩形(長方形)である。構造が簡単であり、小型機などに利用される。

翼端に大きな抵抗が生まれるという欠点がある。

楕円翼

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翼の全体が楕円のように丸みを帯びた形である。翼幅方向の圧力分布が理論にかなっている形状である。翼端で発生する翼端渦に起因する誘導抵抗が理論上は最小になる。しかし、他の形状より製作のコストがかかることから採用例は多くはない。

テーパー翼

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翼の先端側(翼端側)に行くに従って、コード長が変化していく平面形状である。設計次第で、楕円翼の80%以上の性能が出せる。

構造や揚力分布、製作効率などの観点から採用例が多い。

三角翼・デルタ翼

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後退角を大きくとる後退翼は、翼の胴体への付け根部分がねじられるという欠点がある。そのため、後退翼の付け根部分を埋めたような形状をしたものが三角翼(デルタ翼)である。

一般的に高亜音速から超音速飛行をする戦闘機やスペースシャトルなどの航空機に採用される。

後退翼

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翼が後方に下がっている形状の翼である。遷音速領域から低超音速領域にかけての抵抗が少ない。

旅客機などでの採用が多い。

前進翼

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翼が前方に出ている形状の翼である。

翼の先端から失速を起こしにくい。

斜め翼・オブリーク翼

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左右が非対称の翼であり、一方が前進翼、他方が後退翼となっている。低速時には点線のような対称翼であるが、高速時には翼が斜めになる。

高速時に抵抗が少ない。

翼とよどみ点、翼まわりの循環、クッタの条件・ジューコフスキーの仮定

翼とよどみ点

ここでは翼を渦と結びつけて考えるということが行われます。

まず無限に長い翼幅をもつ翼が動く場合を考えます。

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このとき、翼の前縁と翼の後縁に速度が0となるよどみ点が見られます。翼の後縁のよどみ点は翼の上面側に発生し、流れは後縁の下から上にまわりこみます。しかしながら、しばらくすると後縁から渦が発生し、翼の下流に流れ出していき、後縁がよどみ点となって、流れはなめらかになります。

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このとき、翼の下流に放出された渦が存在しています。翼と下流の渦を含む領域には、最初は渦がありませんでした。ここで渦の合計は0でなければならないという渦理論があるため、翼のまわりには流れ出た渦と同じ強さ、逆向きの渦が存在しているということになります。この翼のまわりの渦は、翼まわりの循環といわれます。

循環とクッタの条件・ジューコフスキーの仮定

循環とは、流れの中に閉曲線をとり、その閉曲線に沿って速度の接続成分をひとまわり積分した量です。この強さは流れが翼の後縁からなめらかに流れるように決まります。このように翼まわりの循環が決まることを、クッタの条件もしくはジューコフスキーの仮定といいます。 つまり、この考えでは翼を渦とみなしているといえます。

クッタ・ジューコフスキーの定理では、一様な速度Vの中に、循環 \Gammaをもつ翼があると、速度の直角方向に揚力Lが発生します。翼幅の単位長さあたりに発生するこの揚力の大きさは、流体の密度\rhoとすると、次の式で表すことができます。

 L = \rho V \Gamma