真空引き

バギングが終わったら、スパーがバギングフィルムで包まれて、吸い口と呼んでいたホースがつながっている状態になっているはずです。

この真空引きでは、吸い口の先にホースを取り付けて、そのホースを真空ポンプに繋ぎます。

その状態で真空ポンプを起動させて、バギングフィルム内の空気を抜いていきます。これを真空引きと呼んでいました。

最初は、窯に持っていく前に一本ずつ真空引きして、空気漏れがないか確認していきます。

この真空ポンプで空気を抜いていくときに、フィルムに"しわ(or"ひだ)を作らないとフィルムが裂けると教わった気がします。私は実際にその光景を見たわけではありませんが。

f:id:syerox:20210922224056j:plain

出典: 九州大学鳥人間チーム/作業日記/2012年度2月19日

真空に引いていくと、バギングフィルムや両面テープの外側にシリコン(シリコンシーラント)を塗ったところに"穴"がなければ、順調に真空ポンプについている気圧計の値が下がっていきます。

ところが、特にバギングフィルムを両面テープで張り付けて、シリコンを塗った箇所に穴(or 両面テープ間の隙間(しわ))があると、途中で気圧計の値(針の動き)が止まります。

そのときは、どこかから空気が入っていないか確認していきます。よくやっていてのは耳を澄まして、シューというような空気が入っている音がしないか確認する方法です。

スパーが空気漏れが無く真空引きできることが確認できたら、一旦真空ポンプを止めて、中に空気を入れておきます。

この状態で、(だいたい屋外に設営している)窯へスパーを運びます。

f:id:syerox:20210922225153j:plain

出典: 九州大学鳥人間チーム/作業日記/2012年度3月6日

 

f:id:syerox:20210922225302j:plain

出典: 九州大学鳥人間チーム/作業日記/2012年度3月6日

最後にそのときに焼く全てのスパーや台座などが真空ポンプに繋がった状態で、真空ポンプを起動させて、真空引きをして、空気漏れが無ければ真空引き終了です。

もちろん、スパーを焼いてる最中は真空引きは行い続けたままです。

f:id:syerox:20210922225335j:plain

出典: 九州大学鳥人間チーム/作業日記/2012年度3月6日

 

QX-16くらいの作業の記憶で書いているので、おそらく今はバギングに両面テープが使われていなかったり、いろいろ変わっていると思います。

顔が写っている写真は、モザイク加工をさせていただきました。