NACA翼型の数字の意味について

NACA翼型について

アメリカ航空諮問委員会(National Advisory Committee for Aeronautics):NACAによって開発された一連の翼型のことをNACA翼型やNACA翼といいます。

ちなみにNACAはアメリカ航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration):NASAの前身です。

NACAの翼型は4桁の数字や5桁の数字などで翼型の特性を表現します。

1. 4桁数字系の読み方

NACA4415を例に4桁数字系の読み方を説明します。この4415が4桁の数字です。

第1数字:第1数字はコード(コード長)に対する最大キャンバーの%を示します。

NACA4415の場合、最大キャンバーはコードの4%です。

第2数字:第2数字は、前縁からの最大キャンバーの位置を、コード(コード長)に対する10分率で表しています。

NACA4415の場合、最大キャンバーの位置はコードの4/10の位置。つまり、最大キャンバーは前縁から測ってコード(コード長)の40%の位置です。

第3数字と第4数字:第3数字と第4数字で最大翼厚のコード(コード長)に対する%の値を示します。

NACA4415の場合、最大翼厚はコード(コード長)の15%です。

また、NACA0012のように第1数字と第2数字が00の場合はキャンバーのついていない翼型です。

2. 5桁数字系の読み方

NACA23012を例に5桁数字系の読み方を説明します。この23012が5桁の数字です。

第1数字:第1数字は理想迎角または設計迎角における揚力係数または設計揚力係数の20/3を表します。

NACA23012の場合、第1数字が2であり、揚力係数を計算すると0.3となります。

第1数字が3の場合は0.45、4の場合は0.6、6の場合は0.9と計算によって求められます。

第2数字と第3数字:第2数字と第3数字は、前縁からの最大キャンバの位置を、コード(コード長)に対する%で表した値の2倍の数字を示しています。

NACA23012の場合、最大キャンバの位置はコード(コード長)の15%の位置です。

第4数字と第5数字:第4数字と第5数字で最大翼厚のコード(コード長)に対する%の値を示します。

NACA23012の場合、最大翼厚はコード(コード長)の12%です。

3. NACA層流翼型の読み方

NACA翼型は4桁数字系や5桁数字系から発展して改良型が作られています。そのうちの1つの系統で、層流翼型と総称される翼型です。この系統の翼型はある揚力係数において、あらかじめ指定された圧力分布となるように設計されています。

NACA64-208を例に読み方を説明します。

第1数字:第1数字はあらかじめ与える圧力分布を表し、翼型の系列を意味します。

NACA64-208の場合、第1数字が6であり、6系統の翼型であることを意味します。

第2数字:第2数字は、コード(コード長)の10分率で表した前縁からの最小圧力の位置を表しています。

NACA64-208の場合、第2数字は4であり、最小圧力の位置はコードの40%です。

-後の最初の数字:-(ダッシュ)後の最初の数字は、設計迎角における揚力係数の10倍の値を表しています。

NACA64-208の場合、-(ダッシュ)後の最初の数字は2であり、設計迎角における揚力係数は0.2です。

-後の第2数字と第3数字:-(ダッシュ)後の第2数字と第3数字は、最大翼厚のコード(コード長)に対する%を示します。

NACA64-208の場合、最大翼厚はコード(コード長)の8%です。

より詳細な情報を付け加える場合もあり、さらに特別な数字や記号が追加される場合もあります。

 

NACA翼型について聞いたときに、数字の意味を少し知っていると、どんな翼型かイメージする際に役立つかもしれません。