翼の平面形
翼は翼型を連ねた形をしている。この主翼をコード長を含む面で射影した形(真上から見た形)を翼の平面形という。
翼の平面形は、飛行機の用途に応じて様々な形状があり、それぞれに特徴がある。
代表的なものを挙げていく。
矩形翼
胴体への取り付け部分(胴体側)と先端部分(翼端側)の翼型が同じ大きさのものである。
翼の平面形は矩形(長方形)である。構造が簡単であり、小型機などに利用される。
翼端に大きな抵抗が生まれるという欠点がある。
楕円翼
翼の全体が楕円のように丸みを帯びた形である。翼幅方向の圧力分布が理論にかなっている形状である。翼端で発生する翼端渦に起因する誘導抵抗が理論上は最小になる。しかし、他の形状より製作のコストがかかることから採用例は多くはない。
テーパー翼
翼の先端側(翼端側)に行くに従って、コード長が変化していく平面形状である。設計次第で、楕円翼の80%以上の性能が出せる。
構造や揚力分布、製作効率などの観点から採用例が多い。
三角翼・デルタ翼
後退角を大きくとる後退翼は、翼の胴体への付け根部分がねじられるという欠点がある。そのため、後退翼の付け根部分を埋めたような形状をしたものが三角翼(デルタ翼)である。
一般的に高亜音速から超音速飛行をする戦闘機やスペースシャトルなどの航空機に採用される。
後退翼
翼が後方に下がっている形状の翼である。遷音速領域から低超音速領域にかけての抵抗が少ない。
旅客機などでの採用が多い。
前進翼
翼が前方に出ている形状の翼である。
翼の先端から失速を起こしにくい。
斜め翼・オブリーク翼
左右が非対称の翼であり、一方が前進翼、他方が後退翼となっている。低速時には点線のような対称翼であるが、高速時には翼が斜めになる。
高速時に抵抗が少ない。